小説・日本参戦4

である。 中国軍二十万人に対して台湾軍(正確には中華民国国軍)は、当初、かなり善戦した。台湾軍の、その規模は、陸上10万、海軍4万(海軍陸戦隊1万を含む)空軍は3万だが、予備役の数がヅ抜けている図ぬけている。その数165万人である。主力戦車はC11で愛称は勇虎(ヨンフー)。105ミリの主砲で馬力は750。いっぽう、中国陸軍の主力戦車は99式と呼ばれ、独自開発のレーザー誘導兵器及びレーザー検知式アクティブ防護システム。主砲はℤP1-98式50口径125ミリ滑空砲で台湾軍の力不足は否めない。戦闘機はほぼ互角といえる。ĀМRĀĀМ空対空ミサイルを装備する最新鋭のF16vと、フランスから供与されたミラージュ2000-5は、マッハ2・2の最高速度を誇り,DAFA55430ミリ機関砲二門、МICA空対空ミサイル、R500マジックI短距離ミサイルなどで敵を威嚇する。新幻空軍基地から数多くの戦闘機が中国のJ20を迎え撃つために連日出撃した。中国の最新鋭戦闘機であるjー20の中国名は懺撃だがマイティドラゴンの異名を持っている。双方の戦闘機の実力はほぼ一緒だったが、その数が大きく異なっていた。中国空軍は、台湾空軍の4倍の戦力を保持していたのだ。しかし、戦車の実力差については、2020年にアメリカ製の世界最高性能戦車といわれているМ1Ā1エイブラムスがトランプ大統領の決断で供与されたのだった。つまり、個々の武器の性能はほぼ互角であったが、その量で台湾を凌駕したのであった。台湾は制空権が取れなかった。これはウクライナと同じだった。

 

 数か月に及ぶ戦闘の間、日本とアメリカ、のみならず、EU諸国まで戦闘を留めるべく、声明を発し続けた台湾の犠牲が増えていくにつれて行われた国連での度重なる緊急会合の席にあっても中国代表は不遜な態度に終始し、習近平及び中国共産党は強硬姿勢を改めなかった。

 日本は緊急の経済発動を試みた。まずは、すべての中国製品に100パーセントの増税を果たした。

 だが、中国は聞く耳を持たなかった。

 台湾からのテレビ中継では、無辜の民の悲惨な姿が連日報道された。そして、その戦争のひどいありさまは日本国民の感情を揺さぶった。国民とメディアに押され、政府はついに中国製品の全面禁輸に踏み切った。これは、アメリカもEU諸国も同じだった。世界各国で中国を非難するデモが繰り広げられた。中国は孤立した。北朝鮮とロシア、インド、とアフリカの何か国か頼みの綱だった。

 しかし肝心のロシアは、ウクライナでの戦闘で精いっぱいの状態であり、とても中国を支援する余裕はなかった。頼みはインドだったが、インドのモディ首相は、国連の緊急安全保障理事会で棄権した。つまり、中立を表明したことになる。理事会では一部の国を除き、圧倒的多数で中国の台湾侵攻が否決された。

 戦闘が長期化するにつけ、焦ったのは、中国の習近平とその首脳たちだった。戦争につきものの、鉄や石油、半導体、食料、などの製品が不足し始めたのである。ミサイルや弾薬は、嫌々ながらも、北朝鮮に頼らざるをえなかった。