2024-04-21から1日間の記事一覧

小説・日本参戦11

日本の自衛官の総数は、155000人にしか過ぎない。即応自衛官は8000人ほどだ。とても、30万人の中国軍に太刀打ちできない。どれほど、ハイテクを駆使した優れた装備をもってしても、しょせん、蟷螂の斧である。

小説・日本参戦10

問題は、潜水艦、および、上陸用の艦艇を見逃したことだった。中国の主力艦隊はいわばおとりだったのだ。中国の主力艦隊は、博多に向かっていた。それは、哨戒機も確認している。自衛隊の幹部は、その主力艦隊の動きから博多上陸説に傾いた。 その隙をついて…

小説・日本参戦9

そして、ついに戦闘海域に達した。これを知った明治の歴史を研究する在野の学者の一人は、友人の一人にこう言ったのである。「再び日本海海戦が起こるとは思わなかったな」 日本の各基地に駐機する航空自衛隊の、F16、F15戦闘機が飛来した。中国空軍Jー2…

小説・日本参戦8

中国空母「遼寧」を主力とする艦艇20隻が旅順港を離れたのは、習近平による宣戦布告から、一週間後だった。艦艇の中には上陸用舟艇を収納する船が30隻。空からの部隊を降下させる輸送機が30機と事実にに大がかりのものだった。部隊は次から次へと港を…

小説・日本参戦7

翌日の日米安保論の授業は、紛糾したといっていい。柴田教授は、強固な日米全保障条約反対論者だったからだ。学生たちから、吊るし上げになったといっても過言ではなかった。教授は、しどろもどろになって自論を述べ、早々に、授業を切り上げた。誰かがいっ…

小説・日本参戦6

臨時国会は紛糾した。まず、官房長官が登壇したが、野党のヤジに、代わって首相が答弁に応じた。まず、口火を切ったのは、共産党の女性初の委員長、田村智子議員だった。彼女はいった。 「首相は、習近平氏の発言は、単なる脅しとお考えでしょうか」 首相は…