小説・日本参戦9

 そして、ついに戦闘海域に達した。これを知った明治の歴史を研究する在野の学者の一人は、友人の一人にこう言ったのである。「再び日本海海戦が起こるとは思わなかったな」

 日本の各基地に駐機する航空自衛隊の、F16、F15戦闘機が飛来した。中国空軍Jー20も来たが、空自のパイロットとの腕の差は歴然だった。中国空軍はなすすべもなく敗退した。制空権は、完全に日本のものだった。

 こうなると、海上自衛隊と中国海軍の戦いが勝負の決め手であった。

 まず、中国海軍の出鼻をくじいたのは「たいげい」だった。魚雷4発を「遼寧」に命中させ、大破させた。そのほか、ハープーンミサイルで七隻を撃沈。そのほか第一潜水群艦群の活躍も目覚ましかった。五隻の艦艇を沈め、応援に駆けつけた第二潜水艦群部隊とともに、ほとんどの中国海軍艦艇を海の藻屑と壊滅させたのである。