2024-04-24から1日間の記事一覧

小説・日本参戦19

その部屋に入った時、驚愕のため声も出なかった。本棚には雑誌「GUN」のシリーズや銃に関する本が目白押しだった。さらに驚いたのは、壁を埋め尽くさんばかりに掛けられた小銃の数々。友人はいった。 「これまで、この部屋には誰も入れたことがないんだ。…

小説・日本参戦18

前橋市に向かう複数の道路は一般車両の通行が遮断され、信号機は、オールグリーンだった。車両は、時速50キロを維持し、一時間足らずで前線本部に到着した。近くに広い運動公園があり、戦車やそれを搭載する50トントラックを含む、軍用車両が集められた…

小説・日本参戦17

特別狙撃班に配属された大輔は、敵が前橋市に到達したことを知った。すでに、軍曹に昇進していた彼は、防衛省本部での会議で明らかにされたのだ。会議は長引いた。結局、前橋市内の敵から10キロの地点にあるビルに前線本部が設置されることになった。長い…

小説・日本参戦16

この天皇の発言を聞いていた誰もが泣いた。渋谷駅前のマルチスクリーンを見ていた多くの人々の前に読売テレビのレポータがマイクを近づけて声を拾っていた。下を向いて誰はばかることなく大声で泣きじゃくっていた老人は「陛下が一緒に死んでもらえるなんて…